世界各国のスタジオに選ばれる信頼性と高い性能。高域から低域まで広がる再生能力を備えた8040Bは、ミックスに秘められた可能性をさらに引き出します。
8040B スタジオ・モニター
アクティブ・クロスオーバー
DCW™ テクノロジー
音圧レベル
105 dB
周波数特性
41 Hz - 21 kHz (-6 dB)
寸法
H 365 x W 237 x D 223 mm (Iso-Pod™含む) (インチで見る)
最高の性能
世界各地のレコーディング・スタジオや、ポストプロダクションなど多くのプロフェッショナルに選ばれている8040Bは、その高い性能に裏付けられたパフォーマンスで高くご評価いただいています。その特徴は、105dBという音圧レベルと、41Hzまで伸びた低域再現力。忠実であると同時にパワーのある音も兼ね備えた、クラス最高水準のスタジオ・モニターです。
パワーと精度
Genelecの代名詞であるリサイクル・アルミニウムを採用した流麗かつ強靭なエンクロージャは、色付けのないニュートラルな音を実現する要素のひとつです。ミックス作業におけるスピーディかつ正しい判断を行うことを可能とします。また、ミックスを終えた後は、ISS™(Intelligent Signal Sensing)回路によって自動的にスタンバイ・モードへ切り替わるなど、環境へ配慮した機能も備えています。
Genelec
8040B スタジオ・モニター ダーク・グレー
8040B スタジオ・モニター ホワイト
8040B スタジオ・モニター RAW
1 x 8040Bモニター
1 x 電源ケーブル(1.8m)
1 x オペレーティングマニュアル
8040B スタジオ・モニター
受賞歴
Genelenの8000シリーズが、MIPAアワードでBest Studui Monito(Nearfield)を受賞しました。
スタジオ・モニターの世界的リーダーであるGenelev Oyの8000シリーズがMusikmesseにおいて、MIPAアワードのBest Studui Monito(Nearfield)を受賞しました。
このアワードは、楽器とプロ・オーディオの業界における「グラミー賞」です。世界中の58の音楽媒体が投票し、Genelecがこの部門の受賞となりました。
Genelec 8000シリーズ・スタジオ・モニター
2年の歳月をかけて開発されたニアフィールド・2ウェイ・システムの8000シリーズは、エンクロージャ設計、ドライバー技術、アクティブ回路への新たなアプローチにより歪みをさらに低減し、卓越した性能を発揮します。
8000シリーズの3機種は、いずれもアルミ・ダイキャスト製のMDE™エンクロージャを採用しており、大きな内部容積と柔らかな曲線を描くエッジ、優れた強度によって線形および非線形歪みの抑制に貢献しています。また、スピーカーの指向性を極めて正確にコントロールする先進のDCW™テクノロジーも装備しています。
8030A スタジオ・モニター
8030Aは、5インチの低域ドライバーと3/4インチのツイーターを搭載。自由音場での周波数特性は55Hz〜21kHz、瞬間最大音圧レベルはペアあたり108dBで、40Wのアンプで駆動されます。
8040A スタジオ・モニター
8040Aは、6 1/2インチの低域ドライバーと3/4インチのツイーターを搭載しています。自由音場での周波数特性は45Hz〜21kHz、最大瞬間音圧レベルはペアあたり115dBで、90Wのアンプで駆動されます。
8050A スタジオ・モニターr
シリーズ最大のモデルとなる8050Aは、8インチの低域ドライバーと1インチのツイーターを搭載しています。自由音場での周波数特性は45Hz〜21kHz。最大瞬間音圧レベルは120dBで、低域は150Hz、高域は120Wのアンプで駆動します。
2005年
8040B スタジオ・モニター
技術仕様
システム仕様
周波数特性
48 Hz - 20 kHz (± 2 dB)
低域カットオフ -6dB
41 Hz
高域カットオフ -6dB
21 kHz
音圧レベル
最大音圧レベル ペア毎の最大音圧レベル、リスニングルーム 1m、音楽ソース
≥115 dB
瞬間最大音圧レベル 軸上、半空間、1m、100 Hz ~ 3 kHz
≥105 dB
最大長期RMS音圧レベル IEC 規定のテスト信号による最大長期 RMS 音響出力 (ドライバー保護回路による制限あり)、1 m
≥99 dB
残留ノイズ
残留ノイズ 軸上1m(A特性)
≤10 dB
重量
重量9.4 kg (20.7 lb)
寸法
高さ
350 mm
高さ(Iso-Pod™含む)
365 mm
幅
237 mm
奥行き
223 mm
エンクロージャ
エンクロージャ素材
ダイキャスト・アルミニウム
エンクロージャ・タイプ
リフレックス・ポート
ドライバー
ドライバー・タイプ
コーン
防磁型
直径
165 mm
ドライバー・タイプ
メタル・ドーム
防磁型
直径
19 mm
指向性
高調波歪み
> 100 Hz ≤0.5 %
アンプ部
アンプ
90 W クラスAB
90 W クラスAB
メイン電圧
100-230 VAC 50/60Hz
消費電力
ISS稼働時
≤0.5 W
アイドル時
≤10 W
最大出力時
110 W
信号処理部
接続端子
入力 アナログ入力(XLRメス、バランス、10 kΩ)
クロスオーバー
低域/高域
3000 Hz
詳細な技術仕様はオペレーティングマニュアルをご覧ください。
主要な技術 ※アイコンのクリックで詳細を表示
アクティブ・クロスオーバー
DCW™ テクノロジー
ISS™ テクノロジー
Iso-Pod™ スタンド
MDE™ テクノロジー
最適化されたアンプ
保護回路
レフポート・デザイン
ルーム・レスポンス補正
多様なマウント・オプション
信号レベルが低い場合に動作するアクティブ・クロスオーバー
電子音響クロスオーバーは、オーディオ信号を複数の周波数帯域に分割し、それぞれを独自のパワー・アンプに供給し、そこから特定の周波数帯域に最適化された専用のトランスデューサーに接続できるようにします。
アクティブ・クロスオーバーにはデジタルとアナログがあります。Genelecのデジタル・アクティブ・クロスオーバーには、ドライバー保護、ディレイ、イコライゼーションといった付加的な信号処理が含まれています。
Genelecのアナログ・アクティブ・クロスオーバー・フィルターには、パワー・アンプの入力に適した低い信号レベルで動作する電子部品が使用されています。これは、パワー・アンプ出力の高い信号レベルで動作し、強い電流や場合によっては高い電圧を扱わなくてはならないパッシブ・クロスオーバーとは対照的です。
典型的な2ウェイ・システムでは、アクティブ・クロスオーバーにはウーファーに1つ、ツイーターに1つの計2基のパワー・アンプが必要です。
アクティブ・クロスオーバー・デザインにはいくつもの利点があります。
- 周波数特性がドライバーの電気的特性や駆動レベルの動的変化の影響を受けなくなります。
- 使用している特定のドライバーに対して各出力周波数特性を微調整する柔軟性と精度が高まります。
- 各ドライバーには専用の信号処理およびパワー・アンプがあります。そのため、各ドライバーは他のドライバーが扱う駆動信号から切り離され、相互変調歪とオーバードライブ問題が低減されます。
- ドライバー間の感度のばらつきを補正できます。
- 意図するパスバンド内のドライバー特性に関連した周波数および位相レスポンスの逸脱を補正できます。
- 高品質アクティブ・スピーカーのフラットな周波数レスポンスは、クロスオーバー・フィルターのレスポンス、パワー・アンプのレスポンス、スピーカー・エンクロージャ内のドライバーのレスポンスとを組み合わせた結果です。
アクティブ・アプローチを採用することで、さまざまに異なる室内環境に配置されたスピーカー・システム全体の周波数レスポンス調整と最適化を、高価な外部イコライザーを使用することなく実施できるようになります。結果として、よりシンプルで効率と信頼性に優れた一貫性のある正確なアクティブ・スピーカー・システムとなります。
フラットな軸上/軸外レスポンスをもたらすDCW™ (Directivity Control Waveguide)
Genelecが1983年に当時卵形エンクロージャに使用したDCW™(Directivity Control Waveguide)の開発は革命的なアプローチでした。GenelecのDCWテクノロジーは、その後30年以上にわたって開発と改良がなされ、直接放射型のマルチウェイ・モニターの性能を大幅に向上させています。
DCWテクノロジーは、放射されるウェーブフロントを制御し、指向性(分散)パターンを調整できるようにします。指向性が均一でスムーズなものになるよう、目標としたのは、放射角を制限し、逸脱する放射を低減することでした。結果として、全体的な周波数特性が極めてフラットになり、電力感度も均一になりました。 先進のDCWテクノロジーは、初期反射を最小限に抑え、コントロールの利いた幅広いリスニング・エリアを提供し、軸上でも軸外でも正確なサウンド再現を実現します。
初期反射を最小限に抑え、指向性を制御して一定にすることには、もうひとつの重要な利点があります。それは、室内反射空間の周波数のバランスが、モニターからのダイレクトな空間と同じになることです。結果として、モニタリング・システムの性能の室内の音響特性への依存度が下がります。
サウンド・イメージの幅や奥行きは、あらゆるリスニング環境にとって重要な要素ですが、軸上のリスニング環境だけでなく、軸外のリスニング環境にも重要です。これは、エンジニアだけでなく、リスニング空間にいるその他の人々にも関係します。なぜならこれは、大型のコントロール・ルームでよくあるケースだからです。
DCW™ テクノロジーの主な利点:
- より幅広い有効リスニング・エリアに対するフラットな軸上/軸外レスポンス
- 直接音の反射音に対する比率が向上、室内音響の色付けを低減
- ステレオとサウンド・イメージが向上
- ドライブ・ユニット感度が最大6 dBに向上
- システムの最大音圧レベルが向上
- ドライバー・ユニットの歪を低減
- キャビネット・エッジの回折を低減
- システム全体の歪を低減
ISS™ (Intelligent Signal Sensing)テクノロジーはスタンバイ・モードでの電力消費を低減します。
2013年初頭に導入されたGenelecのISS(Intelligent Signal Sensing)テクノロジーは、EUのErP指令とGenelec独自のサステナビリティ・ポリシーに基づいて開発されています。
ISS™ 回路は、スピーカーの信号入力を監視し、スピーカーが使用中かどうかを検出します。ISS回路により一定時間にわたって入力にオーディオが検出されない場合、ISS回路はスピーカーをスリープ状態に切り替えます。この場合、スピーカーの電力消費は0.5ワット未満になります。入力信号が検出されると、スピーカーの電源がすぐさまオンになります。基本的に、スピーカー・システムは作業が中断されるとすぐに節電状態に入ります。
また、各製品の背面には他のルーム・レスポンス・コントロールと並んで「ISS Disable」スイッチがあります。まず、スピーカーの電源スイッチが「ON」の場合、スピーカーのISS™ オートスタート機能(低消費電力のスリープ状態のオン/オフ)が有効になります。
ISS™ 機能が不要な場合、背面パネルの「ISS Disable」スイッチを「ON」位置に設定することで無効に切り替えることができます。この場合、モニターの電源のオン/オフはは電源スイッチでのみ切り替えることができます。
電源スイッチはモニターの電源を完全にオフにしてしまいますのでご注意ください。
振動を分断するIso-Pod™ スタンドはサウンド・イメージの解像度を向上させます。
自立型スピーカーには頑丈で安定したフロアスタンドを使うことが推奨されますが、極めて一般的な設置方法として、スピーカーをテーブルやコンソールのメーター・ブリッジの上に直接置くことがあります。
これは有害な副作用をいくつか発生させます。スピーカーの軸をリスナーに向けることはほとんどの場合不可能で、また不要な機械的振動がスピーカーから支持面に伝播し、作業面からの一次反射がコム・フィルター効果を発生させて周波数特性に波紋ができます。
このようなごく一般的な問題を解決するため、Genelecは効果的かつ非常に実用的な解決策を生み出しました。Iso-Pod™ という名のスピーカー・スタンドを設計したのです―アルミ製のエンクロージャに取り付けられる、アイソレーション・ポジショナー/デカップラーです。短い脚が4本あり、ゴムに似た内部損失の高い特殊素材でできています。エンクロージャにしっかりと取り付けることができ、カーブした底面または側面に沿ってスライドさせて、スピーカーを±15度傾けることが可能です。
Iso-Pod™ を使用してエンクロージャの傾きを調整することで、スピーカーの軸を正確にリスナーに向けることができます。振動を隔離して減衰させる特性により、不要な振動が支持面に伝わることによる中域への色付けを抑えることができます。
画期的なこのソリューションはGenelecスピーカー・デザインに欠かせない要素となっており、簡便性と音質の量面ではっきりとした利点を提供します。
MDE™ (Minimum Diffraction Enclosure)テクノロジーは色付けのないサウンド再現を実現します。
一般的な自立式スピーカーによくある問題に、フロント・バッフルの不連続性により回折が生じて、スピーカーの角が反射により二次的な音源のような役目を果たしてしまうことがあります。
自立式スピーカー・システムの周波数特性と電力感度のフラットさを改善するため、Genelecは、モニター・ドライバーの属性にマッチするよう最適化された極めて画期的なエンクロージャをデザインしました。このエンクロージャは、丸みを帯びたエッジ、ゆるやかなカーブを描くフロントとサイドが特徴です。周波数特性の卓越したフラットさの実現に加えて、このエンクロージャは最低限の回折で、音場イメージングの質も秀逸です。
これほどまでに滑らかで優雅な曲線を描くキャビネット表面を実現し、エンクロージャの外形寸法を縮小し、同時に低域の効率を向上させるよう内部容量を最大限に広げるため、Genelecは、アルミ・ダイキャスト製のキャビネットをデザインしました。アルミは軽量で硬く、振動の少ない構造にするのが簡単です。キャビネットの壁をかなり薄く作ることができるため、パワー・アンプにとって良好なEMCシールドであると同時に優れたヒートシンクにもなります。ダイキャストのボディはフロントとリアの2つのパーツから構成されており、保守が必要になった場合は簡単に分離できます。
スピーカーの指向性制御を高めるよう、DCW™ ウェーブガイドがMDE™ (Minimum Diffraction Enclosure:最小回折エンクロージャ)のアルミ製エンクロージャに統合されています。基本的に、定指向性の低域限はウェーブガイドのサイズにより決まるため、、表面が大きければ大きいほど制御は向上します。軸外放射が制御されているため、リスニング範囲は一貫したものになります。これは、マルチチャンネル・オーディオ・モニタリングにとって最も重要です。指向性を制御すれば、スピーカー近くの面からの一次反射も減り、異なる音響環境でも一貫性のあるオーディオ再生を提供できます。フロント・バッフル全体はゆるやかにカーブしており、音響に影響を与えないグリルはキャビネット外観の一部として他のさまざまな曲面と完全になじみます。
各トランデューサーはそれぞれ独自の最適化されたアンプにより駆動されます。
電子音響クロスオーバーは、オーディオ信号を複数の周波数帯域に分割し、それぞれを独自のパワー・アンプに供給し、そこから特定の周波数帯域に最適化された専用のトランスデューサーに接続できるようにします。
典型的な2ウェイ・スピーカー・システムでは、アクティブ・クロスオーバーにはウーファーに1つ、ツイーターに1つの計2基のパワー・アンプが必要です。パワー・アンプはアクティブ・スピーカーのドライバーに直接接続されているため、パワー・アンプの負荷はシンプルかつ既知のものとなります。ドライバー専用の各パワー・アンプは、限られた周波数範囲のみ増幅すればよいため(パワー・アンプはアクティブ・クロスオーバーの後に置かれます)、設計も簡単です。
アクティブ・デザインにはいくつもの利点があります。
- パワー・アンプはスピーカーのドライバーに直接接続され、ドライバーのボイスコイル上のパワー・アンプのダンピングにより行われる制御を最大化し、ドライバーの電子的特性の動的変化を低減します。これにより、システムのトランジェント応答が向上します。
- パワー・アンプの出力要件を低減できます。パッシブ・クロスオーバー・フィルターのコンポーネント内でエネルギーが失われることがないため、スピーカー・システムの音響出力を下げることなく、アンプのパワー出力要件を大幅に(ケースにもよるが最大で半分まで)低減することができます。これにより、コストを下げつつ、音質とシステムの信頼性を高めることができます。
- アンプとドライバー・ユニットの間での損失がないため、最大限の音響効率を得ることができます。
- アクティブ・テクノロジーは、サウンド出力、サイズ、低周波数カットオフ性能の間で優れたバランスを実現します。
- すべてのスピーカーは調整済みシステムとして出荷されます(アンプ、クロスオーバー電子回路、エンクロージャ/ドライバー・システム)。
洗練されたドライブ・ユニット保護回路が安全な動作を提供
重大なオーディオ制作環境での作業では、モニタリング・システムがいつでも頼りになり確実に動作し続けるものであることが重要です。放送業界でGenelecがすばらしい成功を収めた大きな理由のひとつは、Genelec製品が持つ信頼性であり、その信頼性を支える重要な要素となっているのが、1978年から全製品に組み込まれている保護回路です。
保護回路は、信号レベルを検出することでドライバーの不具合を防ぎ、突発的なピークや高すぎるレベルが続く場合、自動的に信号レベルを下げます。もちろん、スピーカーの仕様範囲での作業時にこの機能が音質に影響を与えることは一切なく、不適切な入力信号によりスピーカーが破壊されてしまうことを防止するだけの機能です。
保護回路の機能と利点:
- 必要な場合(ドライバーのボイスコイルの温度が安全限界に達した場合など)に出力レベルを下げます。これにより、システムの信頼性が大幅に向上します。
- スピーカーとサブウーファー内に適切な保護回路設計を行うことにより、システムの出力レベルを最大限に高めることができます。
先進のレフポート・デザインで低域の周波数特性を拡張
Genelecが開放式(バスレフ)エンクロージャを選択したのは、1978年に発表されたGenelec初の製品S30にまでさかのぼります。ポートの性能は、卓越した低域のアーティキュレーションと精細度を提供し、ウーファーの低周波の伸びと音圧レベルのキャパシティを高める目的で、時間をかけて向上、洗練されてきました。
レフレックス・エンクロージャの放射には、ドライバーと開口部の両方が関係します。放射のほとんどはドライバーに由来するものですが、開口式エンクロージャの共鳴周波数では、ドライバー変位の振幅が小さく、放射の大半は開口部に由来します。
チューブ内の空気の速度を最小限に抑えるには、開口部の断面積が大きくなくてはなりません。これはつまり、開口チューブを長くする必要があることを意味し、設計上の大きな難点となります。
長くて曲がったチューブでは、気流が増え、重低音をストレスなく再生できます。レフレックス・チューブの終端はエンクロージャ背面に大きく広がる開口部で、ポート・ノイズを最小限に抑え、優れた低域のアーティキュレーションを提供します。
チューブの曲率も、可聴雑音、圧縮、歪が最小限に抑えられるよう入念に設計されています。チューブの内側端には、吸排気の可聴ノイズや空気の乱流を最小限に抑えるよう、抵抗を高めるための相応の処理を行っています。
適切なレフポート・デザインにより、ウーファーの変位を大幅に低減することも可能で、リニアな低域出力のキャパシティを向上させます。
正確なルーム・レスポンス補正で、室内のパフォーマンスを最適化
室内音響とスピーカーからの放射との間の相互作用は複雑です。たとえば、反響する部屋に対して吸音処理された部屋、または壁際への配置に対して壁から離れたスタンド上への配置といったように、部屋によってモニターのレスポンスは異なります。
Genelecのスピーカー・システムは、すべて室内の影響を補正してリスニング・ポジションでフラットな周波数特性が得られるようルーム・レスポンス調整が可能になっています。
アナログ・システム
Genelecのアナログ・スピーカー・システムは多様なルーム・レスポンス・コントロールを提供します。それには次のようなものがあります(モデルにより異なります)。
- ベース・ロールオフとベース・チルト
- トレブル・チルトとトレブル・ロールオフ
- ベース・レベル
- ミッドレンジ・レベル
- トレブル・レベル
- デスクトップ・コントロール
低域では、主要なコントロールが2つあります。シェルビング・フィルターとして機能するベース・チルト・コントロールと、さまざまな設置環境でシステムの低域と重低域のレスポンスを最適化できるベース・ロールオフ・コントロールです。大型のシステムでは、ベース、ミッドレンジ、トレブルの各レベル・コントロールが用意されています。これらのコントロールにより、さまざまなパス・バンド間の相対バランスを最適化できます。
各スピーカーの操作マニュアルとデータシートには、各種設置環境に対するルーム・レスポンス・コントロールの推奨設定のリストが記載されています。これらは長年にわたる実践からの経験とさまざまな音響環境の計測により導き出されたものです。
SAM™ (Smart Active Monitor)システム
GenelecのSAMシステムは、総合的かつソリューション指向でありインテリジェントにネットワーク化された製品群を提供しており、すべてにGLM™ (Genelec Loudspeaker Manager)ソフトウェアと自動キャリブレーション・システムAutoCal™ が搭載されています。
Genelec AutoCalは、GLMコントロール・ネットワーク上の全モニターの測定、分析、調整を完全自動で行う業界初の統合プロセスを提供します。このシステムは、リスニング・エリア内のレスポンスを測定し、それに基づく補正を低域から中低域に適用して、室内音響の影響やさまざまなリスニング・ポジション間の差を最小限に抑えます。AutoCalは、相対レベル、距離による遅延、ネットワーク上の全サブウーファーのクロスオーバーの適正化(AutoPhase)などを調整します。
Acoustic Response Editorは、各モニターについて測定したレスポンス、フィルター補正、システム・レスポンスの正確なグラフィカル表示と音響設定の手動コントロールを提供します。
あらゆるインスタレーションのニーズに合わせた多用途なマウント・オプション
完璧な音響設計、室内環境に合わせてスピーカーの動作を最適化する先進のオプションに加えて、Genelecスピーカーは、さまざまな用途で簡単に設置できるよう、幅広いマウント・オプションを提供しています。
Genelecの広範なアクセサリと、アルミ製エンクロージャ製品の背面にある取付用ネジ穴は、一般的なあらゆる状況に解決策を提供します。壁面や天井への取り付け用に、ダイキャスト製エンクロージャにはM6ネジ穴が組み込まれています。
また、一部のモデルは、頑丈なマイク・スタンドに固定させる3/8"ネジ穴をエンクロージャ底面に備えています。その他のより大型で重量のあるモデルにはM10ネジ穴があります。Genelec製品デザインの一部となっているIso-Podスタンドを取り付けるための専用のフロアスタンド・プレートもデザインされています。
このような特徴を備えたGenelecスピーカーは、プロフェッショナル・オーディオやスタジオの世界以外のさまざまな用途、たとえば店舗やインスタレーション・プロジェクト、ご家庭でも活躍します。
資料
ダウンロード
8040B 線画 (PDF) 8040B 線画 (DWG) 8040B - シミュレーション・ファイル (EASE3) 8040B - シミュレーション・ファイル (EASE4) 8040B - シミュレーション・ファイル (CLF)FAQ
モニターに使用されている制振材
Genelec製品には、グラスファイバー・ウール、リネンファイバー・ウール、ポリエステルファイバー素材(PES)など、様々なダンピング素材が使用されています。以下の表は、Genelecのモニターと、各モデルに使用されているダンピング素材の種類を示したものです。
動作中、モニター・スピーカーやサブウーファーのバスレフ開口部から出入りする空気は、繊維粒子の埃を大量に放出することはありません。PESウールは埃を出しません。リネンファイバー・ウール、グラスファイバー・ウールは、非常に高い音量での動作中に極めて小量の埃を放出することがあります。この繊維の粉塵は健康に害を与えるものではありません。
スタジオ・モニター
SAM™ スタジオ・モニター | 使用制振材 |
---|---|
1032C | PES |
8320A | PES |
8330A | PES |
8340A | PES |
8350A | PES |
8130A | PES |
8240A | PES |
8250A | PES |
8331A | PES |
8341A | PES |
8351A | PES |
8351B | PES |
8361A | PES |
S360 | PES |
8260A | リネン・ウール |
1238CF | リネン・ウール |
1238DF | リネン・ウール |
1237A | リネン・ウール |
1238A | グラス・ウール |
1238AC | グラス・ウール |
1234A | グラス・ウール |
1234AC | グラス・ウール |
1236A | グラス・ウール |
SAM™ スタジオ・モニター | 使用制振材 |
---|---|
7260A | リネン・ウール |
SE7261A | リネン・ウール |
7270A | リネン・ウール |
7271A | リネン・ウール |
7350A | リネン・ウール |
7360A | リネン・ウール |
7370A | リネン・ウール |
7380A | リネン・ウール |
7382A | リネン・ウール |
8000シリーズ・スタジオ・モニター | 使用制振材 |
---|---|
8010A | PES |
8020D | PES |
8030B | PES |
8030C | PES |
8040B | PES |
8050B | PES |
1000シリーズ・スタジオ・モニター | 使用制振材 |
---|---|
1032B | リネン・ウール |
1037C | リネン・ウール |
1038CF | グラス・ウール |
1038B | グラス・ウール |
1038BC | グラス・ウール |
1034B | グラス・ウール |
1034BC | グラス・ウール |
1039A | グラス・ウール |
1035B | グラス・ウール |
1036A | グラス・ウール |
7000シリーズ・スタジオ・サブウーファー | 使用制振材 |
---|---|
7040A | リネン・ウール |
7050B | なし |
7050C | リネン・ウール |
7060B | リネン・ウール |
7070A | リネン・ウール |
7071A | リネン・ウール |
7073A | グラス・ウール |
ホーム・スピーカー
Gシリーズ・アクティブ・スピーカー | 使用制振材 |
---|---|
G One | PES |
G Two | PES |
G Three | PES |
G Four | PES |
G Five | PES |
Fシリーズ・アクティブ・サブウーファー | 使用制振材 |
---|---|
F One | なし |
F Two | PES |
設備用スピーカー
4000シリーズ・設備用スピーカー | 使用制振材 |
---|---|
4010A | PES |
4020B | PES |
4020C | PES |
4030B | PES |
4030C | PES |
4040A | PES |
埋め込み型スピーカー | 使用制振材 |
---|---|
AIW26B | リネン・ウール |
5041A | リネン・ウール |
入力感度は、製品のロータリー・コントローラーとレベル・レンジ・スイッチの組み合わせで制御することができます。SAM™(Smart Active Monitoring)製品の感度は、GLM(Genelec Loudspeaker Manager)ソフトウェアとコンピューターを使って、より精密に設定することが可能です。
Genelecのスタジオ・モニターのアナログ入力感度は公称-6dBuで、無響室、1mで100dB SPLのオーディオ出力を生成します。
公称のデジタル入力感度は、0dB FSのデジタル入力が無響室、1mで理論上130dB SPLを生成するように設定されています。
実際の最大音圧レベルは製品の能力によって異なり、130dB SPLより低くなる場合があります。
音響処理
これは、部屋の形状、残響時間、音の反射と屈折、材質の特性など、非常に幅広い分野に関わります。しかし、私たちはリスニング・ルームが持つべき最も重要な特徴をカバーする簡単なチェックリストを作りました。部屋の音響処理が完了したら、スタジオ・モニターを設置することができます。
リスニング・ルームへの設置のためのチェックリスト
- 残響時間が少なく、周波数に対してほぼ一定であることを確認する。
- 一次反射源は、直接音がリスニング・ポイントに到達してから少なくとも最初の15msの間に、反射レベルが直接音の音圧レベルより少なくとも10dB下がるように処理されなければなりません。
- モニターが壁面にマウントされている場合、前壁は硬く滑らかである必要があります。モニターが自立している場合は、前壁は吸音性のあるものでも大丈夫です。
スタジオ・モニターの設置
- リスニング・ポイントからの標準的なオリエンテーション(角度)に従って、モニターを設置します。
- モニターはリスニング・ポイントから物理的に等しい距離に置くか、GLM AutoCalを使用してモニターとの距離の差を電子的に補正してください。
- モニターは、側壁や背後の壁からのキャンセリングを受けないように配置してください。
- モニターはリスニング・ポイントへ向けて、水平方向と垂直方向を調整してください。
- 取扱説明書やクイック・セットアップ・ガイドに記載されているルーム・コンペンセーション・コントロールを設定するか、SAM (Smart Active Monitoring) システムの場合は、GLM AutoCalで室内音響を補正してください。
モニター・スピーカーのセットアップ
導入事例
Roxy Hotel - Smart IPで音楽をクールに楽しむ
「“クオリティ"という概念を伝えたい時、Genelecは最良の選択」― マンハッタンの4つ星ホテルがSmart IPを選んだ理由とは?
BRIAN ENO AMBIENT KYOTO - Genelecが空間をよりクリエイティブにする
Genelec が空間をよりクリエイティブにする。世界的な展覧会でGenelecが選ばれる理由とは?